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愛知の石場建て 8 構造見学会1(木組み)のご報告


9日(土) 10日(日) と、構造見学会が無事終わりました。
「石場建て」が広まるようにと、このような機会を与えて頂いたお施主様、本当にありがとうございます。
そして、お越しいただいた皆さま、ありがとうございました。

初めての見学会でしたが、二日間で40名ほどの方にお越しいただきました。半数以上は、建築の仕事に携わる方でした。
当初は、時間が余ると思い、竹でも編みながらお客さんを待とうかと話してましたが、当日ご連絡いただいて来て下さる方も多く、3人それぞれが、お客様とじっくりお話ししていると、あっという間に終わった二日間でした。

今回来て頂いた方に「土壁を塗った後、また見たい」 という声をたくさん頂いたので、6月か7月に  「構造見学会2(土壁)」を催す予定です。
暑い夏に、土壁のひんやり感を味わい、純度100%の自然素材の空間を知って頂けるような見学会にしたいと思います。
日程は決まり次第、ホームページでお知らせします。
今回見学できなかったけれど・・・という方は、ご連絡いただければ、個別にご案内いたします。

当日は、バタバタで写真をとりそびれてましたが、見学に来て頂いた方が写真を送ってくれたので今日はその写真で。


今回、3人の写真も撮ってもらえたので、改めて見学会でこの家の案内した3人の紹介です。

左から、見習い大工のりょーた君。2級建築士で大工3年目の若者。自ら各務さんのもとに弟子入りし、大工目指して修業中。
真ん中が、親方の各務さん。僕と同じ八百津町の大工さん。1級建築士でもあり、誇りを持って手刻みを続けている大工です。
最後が、水野です。建築の仕事に携わるようになって6年目。とにかく髪の毛がすぐ伸びる僕は、いつも頭はぼさぼさです。

各務さんとは、関東 関西で素晴らしい伝統的構法の家を作っている方たちの集まりに、一緒に参加しながら勉強してきました。
古い民家や職人そして素材が豊富な岐阜は、都市部より恵まれている分、伝統的構法の意識が少ない気がします。
僕らの住む八百津の町を、「木の家が連なる町並みにしたいね」とか、「岐阜では僕らが頑張らなあかんで」、なんて言いながらも・・・、
僕自身、集まりの場では全く話についていけず、一言もしゃべれないまま帰ってましたが、ようやく一つ形となりました。
まだまだ勉強する事ばかりですが、お施主様の希望に応え、大工が腕を振るう舞台を準備できるよう励まねばです。


今回の構造見学会に来られて、一番多く聞かれた事が、石場建てについてです。
基礎と建物が緊結していない事、立ち上がりがない事について、ちょっと説明です。

見学に来られた方の中には、「昔の家のように石の上に建てて、床下を空けたかったけど、作れないと言われた」という方が数人いました。
建築の仕事をしている方からは、「どうしたら、アンカーボルト(基礎と建物を固定)なしで、申請が通るの?」とも聞かれました。

石場建てについてはコチラをご覧ください。 >>> 2(石場建て)
もう少し申請の事も含めて詳しくお話しすると、建築基準法の仕様の一つに「基礎を立ち上げ、基礎と建物をアンカーボルトで固定する」というルールがあるのですが、「石場建て」は、アンカーボルトはもちろん、ダボのようなものも何もありません。石の上に本当に置いてあるだけの建物なので、建築基準法の仕様を満足していないわけです。

仕様を満足していないので、建築士が全ての構造計算を行い、建物の安全性を確認して、申請することになります。
例えば、基礎の立ち上がりや、金物・ボルトがなくても、安全性を確認できれば、作ることが出来ます。
今回はべた基礎(地中梁)の上に礎石を据えていますが、安全性が確認できれば、地盤に直接礎石を据えて作ることもできます。





一般的に、建築基準法の仕様を満たした住宅(2階建以下の木造)は、構造計算は不要で、申請は通ります。
仕様を満たした木造3階建てや規模が大きなものになると、許容応力度計算という構造計算を行い建物の安全性を確認して、申請を通します。
「石場建て」のように、仕様を満たしていない木造は、限界耐力計算という構造計算を行い、建物の安全性を確認するのですが、限界耐力計算は特殊な計算方法の為、構造計算適合性判定(構造計算の専門機関のチェック)を済ませて、申請を通します。

今回、私自身初めて限界耐力計算を行いましたが、Excel を使っての手計算 で100ページ以上の計算書になりました。初めてなので、いろいろ聞いたり調べたりして数カ月間かかりました。実際、「石場建て」の設計例はほとんどなく、去年私が探しただけでも全国でも数件でした。
建てることはできるのですが、技術のある大工や計算する建築士が少ないのではなく、このような建物を求めている人、あるいは作れる事を知ってる人が、少ないんだと思います。



そもそも僕にとって、「石場建て」「木組み」「土壁」は目的ではなく、僕が好きな家で暮らす為の手段として行き着いた3つです。

古い家で生まれ育った僕にとって、家の価値とは、機能性・快適性よりも家族から愛されている事です。

時間によって磨かれる本物の素材で職人が作り、100年200年と永い時間住み継がれていく普遍的な家に暮らしたい。

そのような家を作っていくのは、「時間」です。
昔の人たちが、永い時間生き続ける家として出した答えが、70年前まで普通に作っていた、「石場建て」「木組み」「土壁」の家です。

昔の人たちが残してくれたように、未来の子供たちに日本の風景を残すことは、僕が関れる一つの仕事なんだと、思ってます。


見学会では、「ホントにボルト・金物がないんですね」、「今でもこんな家を作ってたんですね」というお言葉を頂きました。
今回見学会にあたり、写真付のBlogをいくつか更新しましたが、五感で感じる現場に来て頂かないと伝わらないですね。

というわけで、住宅だけでなく、お寺や茶室など、伝統的構法の家をお考えの方は、ご連絡ください。
大工と現場をご案内いたしますので、五感を持ってお越しください。

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